登場人物、 住宅ローン【借り換え】をご参考ください
結論
:元金均等返済の方が利息の総支払額が少なくなりますのでお得です。ただ繰上返済した時の効果や借入可能額を考えた場合は元利均等返済の方が有利になりますのでその部分を解説します。
:塾長、そもそも元金均等返済と元利均等返済ってなんなの?
元金均等返済と元利均等返済とは
:元金均等返済とは、銀行から借りたお金(元金)に対し一定額+利息を返済していくのに対し元利均等返済とは銀行から借りたお金(元金)+利息を一定額にして返済していく返済方法を言います。
:塾長、何言ってるかさっぱり分からないんだけど・・。
元金均等返済とは
:先ずは元金均等返済から説明しますね。仮に4200万円を期間35年金利1%で借りたとします。元金均等返済とは銀行から借りたお金(元金①)を一定額返済していく方法ですから毎月返済する元金は4200万円÷(12ヶ月×35年)=10万円となります。後、利息も払わなくてはいけませんので4200万円×1%÷12ヶ月=3.5万円となり、初月の返済額は10万円+3.5万円=13.5万円となります。次の月は元金10万円は変わりませんが利息については、4200万円‐10万円=4190万円について計算されますので4190万円×1%÷12ヶ月=3.4917万円となります。表にまとめると下記のようになります。
元 金① | 利 息 | 支 払 総 額 | ローン残高 | |
1ヶ月目 | 100,000円 | 35,000円 | 135,000円 | 41,900,000円 |
2ヶ月目 | 100,000円 | 34,917円 | 134,917円 | 41,800,000円 |
3ヶ月目 | 100,000円 | 34,833円 | 134,833円 | 41,700,000円 |
4ヶ月目 | 100,000円 | 34,750円 | 134,750円 | 41,600,000円 |
5ヶ月目 | 100,000円 | 34,667円 | 134,667円 | 41,500,000円 |
:なるほど。毎月元金を返していくから利息も減っていってその分の支払総額も減っていくんだね。
:そうですね。図で表すとこんな感じです
元利均等返済とは
:次に元利均等返済を説明しますね。元利均等返済とは元金+利息の金額の(支払総額②)を一定額返済していく方法です。具体的にはexcel関数のPMTという関数を使って計算します。元金均等返済で説明したように初めは利息が多い状態のものを毎月一定額返済にしますので初めは支払総額の利息部分の割合が高くなります。上記と同様に4200万円を期間35年金利1%で借りた場合を表にまとめると下記のようになります。
元 金 | 利 息 | 支 払 総 額② | ローン残高 | |
1ヶ月目 | 83,559円 | 35,000円 | 118,559円 | 41,916,441円 |
2ヶ月目 | 83,629円 | 34,930円 | 118,559円 | 41,832,812円 |
3ヶ月目 | 83,699円 | 34,860円 | 118,559円 | 41,749,113円 |
4ヶ月目 | 83,769円 | 34,790円 | 118,559円 | 41,665,344円 |
5ヶ月目 | 83,838円 | 34,721円 | 118,559円 | 41,581,506円 |
:毎月70円づつ、元金の部分が多くなっていくんだね
:そうですね。図で表すとこんな感じです
元金均等返済と元利均等返済の違い
:特徴はわかったけど、どんな違いがあるの?
:先ずは支払利息の総額に違いがあります。4200万円を期間35年金利1%で借りた場合を表にまとめると下記のようになります。
支払利息総額 | |
元金均等返済 | 7,367,360円 |
元利均等返済 | 7,795,018円 |
差 額 | 427,658円 |
:同条件で借りたとしても元金均等返済を選ぶか元利均等返済を選ぶかで約42万円も利息が違ってくるんだね。
:そうですね。この差は大きいですね。もちろん借入金額や金利によって違いますが、元金均等返済を選んだ方が支払利息の総額が少なくなることは間違いないですからね。
:でもさ、繰上返済した場合は元利均等返済の方が有利なんでしょ?
:はい。借入した1年後に100万円を繰上返済した場合の効果は下記のようになります。
利 息 軽 減 額 | 短 縮 期 間 | |
元金均等返済 | ▲335,496円 | ▲11ヶ月 |
元利均等返済 | ▲397,275円 | ▲12ヶ月 |
差 額 | 61,779円 | 1ヶ月 |
:なるほど。特繰上返済については元利均等返済の方が有利なんだね
まとめ
:元金均等返済を選ぶか元利均等返済を選ぶかですが銀行によっては元金均等返済を選択できない銀行もありますので詳細は各金融機関にお問い合わせください。元金均等返済を選択した場合、支払利息総額が少なくなるメリットはありますが、借入できる上限が元利均等返済より少なくなるというデメリットもあります。返済比率といって毎月の収入から住宅ローンの返済額(収入が20万円で住宅ローンの返済が5万円だった場合は5万円÷20万円=25%となります)がどの位になるかを各銀行で上限を決め貸付可能額を計算しています。元金均等返済の場合は元利均等返済と比べると初月が多くなりますので借入上限が少なくなるという訳です。上記を例に説明すると、あるA銀行の審査が毎月の収入に占める返済額の割合が20%と設定されていたとすると下記のようになります。
必 要 月 収 額 | |
元金均等返済 | 135,000円÷20%=675,000円 |
元利均等返済 | 118,559円÷20%=592,795円 |
つまり、4200万円の住宅ローンを金利1%借入期間35年で計算した場合、元利均等を選ぶと月収で592,795円以上あれば審査が通りますが、元金均等返済を選ぶと月収が675,000円以上ないと審査が通らないということになります。銀行や住宅ローン申込者の属性によって返済比率は変わり具体的な数字については開示していません。上限ギリギリまで借入をしたい場合等は借入期間を一番長く元利均等返済を選ぶのが良いと思います。詳細は各金融機関にお尋ねください。