前回のお話 住所ローン【フラット35】 登場人物紹介をご参考ください
:塾長、この前のつづきなんだけど、生命保険について教えて。
:生命保険の何が知りたいですか?
:何がわかっていて、何がわからないのかもわからいよ。
:いろんな商品が多くてさっぱり分からないんだよな。
:そうですね。では今日はまず、生命保険の仕組から勉強しましょう。その前に、日本に生命保険会社っていくつあると思いますか?
:そんなこと、考えたことなかったけど・・。10社くらい?
:2021年3月26日現在、生命保険協会に登録している生命保険会社は42社あります。
:結構あるんだね。
:そうですね。思ったよりありますね。ただ、アメリカは約850社(2019年米国保険情報協会インシュアランスファクトブックより)あると言われてますからね。アメリカに比べたら日本は規制が厳しいですから少ないですね。でも、それぞれの会社がいくつかの商品を販売したらかなり多くの商品が出回ることになって分かりづらいですよね。
:だから分からないんだ・・。納得。
:そんな中、「生命保険は3つしかない」って聞いたことありますか?
:どゆこと?言ってる意味がよく分からないんだけど・・。
:そうですね・・。こー助さんは車は乗りますか?
:乗るよ!この前、2シートの赤のスポーツカー
買ったよ。
:おお。それは凄いですね。車に例えると、自動車メーカーは日本に数社あって、いろいろな車を販売してますが、その車の種類で分けると、軽自動車とか、普通乗用車とか、1BOXとか分かれますよね。それと同じですね。
:もっと具体的に教えてよ。
①定期保険
:わかりました。では、3つの保険について説明しますね。3つしかない保険の1つ目は定期保険。定期保険って聞いたことありますか?
※詳細はこちらをご参考ください。
:定期預金だったら聞いたことある。
:そう思ってお金が貯まるのかな。って勘違いされる方もいらっしゃるのですが、それは間違いですね。例えば、30歳の人が60歳まで3000万円の定期保険(死亡・高度障害)に入ったとします。その人がこの保険に入って直ぐにお亡くなりになられとすると、保険会社からいくらの保険金が支払われると思いますか?
:えっ、3000万円じゃないの?
:正解です。では、61歳でお亡くなりになられたとするとどうでしょうか?
:もしや、保険金が支払われない。ってこと?
:そうですね。では、生命保険会社に払った保険料はどうなると思いますか?
:それも戻って来ないの💦?
:はい。定期保険の定期とは、定期券の定期と同じですね。例えば1年間の電車の定期券を買ったとします。その期間中は電車に乗れますが、期間を1日でも過ぎてしまったら電車に乗れないですよね?で、もし、1年間の定期券は買ったけど、1度も電車に乗らなかったとして、それを駅に持っていって「一度も電車に乗らなかったからお金返してください」って言っても1円も返ってこないですよね?それと同じです。
:なんだよ。掛け捨てかよ。もったいないなぁ。
:そう思う人は多いかもしれませんね。でも、少し違った目線で考えて欲しいのですが、こー助さんて募金とかしたことありますか?
:塾長、俺こう見えて結構、募金するぜ。特に最近は震災とか多いからさ。
:さすがですね。では質問ですが、こー助さんが死ぬまでに一度も震災に合わなくて他の人から援助されることがなかったとしたらどう思いますか?
:それはそれで、不幸な目にあわなくて良かったと思うよ。
:そう思いますよね。生命保険もそれと同じです。誰かの払った保険料が、誰か困った人の役に立っている。「小さいお子さんを遺して1日でも長生きしたいと強く願いながら他界してった人。交通事故に合って高度障害になって働けなくなった人。そんな人を多くの人が支えてる。」そう考えると、もったいない。とは思わないかも知れませんね。
:へー。そうなんだぁ。知らなかったよ。
:生命保険って、助け合いの精神だね。
②養老保険
:ぶー太郎さん、その通りですね。因みに日本に初めて生命保険を海外から持ってきたのは、かの福沢諭吉と言われてますよ。さて、続いて、3つの保険の2つ目、養老保険って聞いたことありますか?
※詳細はこちらをご参考ください。
:聞いたことあるような、ないような・・。
:では、さっきと同じ質問です。例えば、30歳の人が60歳まで3000万円の養老保険(死亡・高度障害)に入ったとします。その人がこの保険に入って直ぐにお亡くなりになられとすると、保険会社からいくらの保険金が支払われると思いますか?
:これも、3000万円じゃないの?
:正解です。では、養老保険の場合、60歳になったらどうなると思いますか?
:養老っていう位だから、老後を助けて欲しいよな。
:そうですね。養老保険の場合、60歳の満期になると、保険金と同じ額のお金を自分が受け取るということですね。つまり、保険料を払っている間に万一があると受取人(通常は一番大切な人にしますね)が3000万円を受け取って、払い終わって満期を迎えると自分が3000万円もらえる。それが養老保険ですね。
:へー。何だかお得な気がする。でも保険料は高そう。
:3つの中では養老保険が一番高いですね。
:でも僕はこれがいいかな。
③終身保険
:3つの保険の最後、終身保険ですね。
※詳細はこちらをご参考ください。
:終身っていうくらいだから、死ぬまで払い続けるの?
:いい質問ですね。保険料の支払い期間は選ぶことができます(生命保険会社によって異なります。詳細は各生命保険会社にお訊ねください。)よ。60歳まで払うとか、70歳まで払うとか。ぶー太郎さんが言ったみたいに死ぬまで払うということもできます。今回は保険料の支払いは60歳までの終身保険を例にとって考えてみましょう。では、さっきと同じ質問です。例えば、30歳の人が60歳まで3000万円の終身保険(死亡・高度障害)に入ったとします。その人がこの保険に入って直ぐにお亡くなりになられとすると、保険会社からいくらの保険金が支払われると思いますか?
:これも、3000万円でしょ?
:はい。正解です。では60歳で保険料の支払いが終わった後、万一があった場合はどうなると思いますか?
:3000万円支払われるんじゃないの?
:そうですね。その通りです。では、60歳の時に解約したらどうなると思いますか?
:多少はお金が戻ってきて欲しいよな。
:解約返戻金(かいやくへんれいきん)が戻ってきますね(生命保険会社によって異なります。詳細は各生命保険会社にお訊ねください。)。商品によっても異なりますが通常は60歳で解約するより、65歳で解約した方が多く戻ってきます。
:養老保険と終身保険の違いがよく分からないな。
:皆さん、よくそうおっしゃいますね。家で例えて話しましょう。どちらも建売住宅を購入するイメージですが、終身保険は建売住宅の土地も購入する。養老保険は定期借地権の上に建っている家を購入する。そんなイメージですかね。
:なんか、かえって難しくなった気がする。
:つまりどういうことかというと、養老保険の場合は60歳になったら保険証券を保険会社に返して満期保険金を受け取っておしまい。更地にして立退料をもらう感じ(実際の定期借地権の場合は立退料は発生しません)。終身保険の場合は住宅ローンが終わっても、そこに住み続けてもいいし、土地付き家を売却してお金をもらってもいい。売却期間を後らせば後らすほど、高く売れる。そんなイメージですね。因みに定期保険は賃貸物件ですね。期間がきて家を出ていくときにお金はもらえない。家賃を払っているあいだは住むことができるけど、払わないと出ていかなくてはいけない。そんな感じです。
:一長一短だね。
:そうですね。保険金の高さや保健期間、後は保険料の兼ね合いや目的で、3つの保険のうち、どの保険を選ぶかですね。
:それって、どうやって自分に合った保険を選ぶと良いの?
:また長くなってしまったので、次の機会にしましょう。